【分かりやすく簡単に】標準偏差と工程能力と不良率の早見表で確率を知ろう
理系の学生さんやメーカーの技術職、品質管理、製造現場の方々にとっては、たまに耳にする標準偏差や工程能力。
標準偏差や工程能力の意味は理解していても、例えば4σは工程能力でいうとCpkはいくつで、また不良率は何パーセントかすぐに分かりますか?
丸覚えすれば良いのですが、頻繁に使う人以外は、そこまで労力をかけるほどでもありませんよね。
そこで本記事では、標準偏差や工程能力毎の不良発生率の早見表を作成しました。
ふとした時にすぐに使えるので、あると便利ですよ♪
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標準偏差と工程能力と不良発生率の便利な早見表
標準偏差 (σ) | 工程能力 (Cpk) | 不良率 (%) | 不良率 (ppm) |
±1σ | 0.33 | 31.7 | 317311 |
±2σ | 0.67 | 4.5 | 45500 |
±3σ | 1.00 | 0.27 | 2700 |
±4σ | 1.33 | 0.0063 | 63 |
±5σ | 1.67 | 割愛 | 0.57 |
±6σ | 2.00 | 割愛 | 0.002 |
一般的に使用頻度が高いのは、±3σや±4σですね。
ppmとは?簡単に解説
ppm(パーツ・パー・ミリオン)とは、百万分率(ひゃくまんぶんりつ)ともいい、100万分当たりの割合を表すparts-per表記による単位です。
英語表記だと、「parts per million」と書き、その頭文字をとってppmと表されます。
要するに、%が100個当たりの割合を表すのに対し、ppmは100万個当たりの割合を表しています。
標準偏差とは?簡単に解説
標準偏差とはデータのばらつきの大きさを表わす指標です。
記号は、σとsのどちらかで表されますが、それぞれに意味があります。
まず、σで表すときは母集団の標準偏差を、sで表すときは標本の標準偏差を指しますが、まあ分かりにくい表現ですよね。
簡単に説明するために例を挙げると、日本の小学6年生の算数の点数のばらつきを調べたい時、σ(母集団の標準偏差)は「全国の小学6年生」を対象にし、s(標本の標準偏差)は「福岡県の小学6年生」を対象に調査したということになります。
工程能力とは?簡単に解説
工程能力とは、規格値を満たす能力を表し、もっと簡単に言うと、製造ラインがどれだけ安定的に物を作ることができるかを判断できる指標になります。
工程能力は、Cp(ばらつきのみ)とCpk(ばらつきと中心値のずれ)の2種類がありますが、基本的にはCpkが使われます。
なぜかというと、物を安定的に作るのであれば、ばらつきのみでは不十分で、中心値からのずれも考慮する必要があるからです。
例えば、100±20cmの寸法の製品を作らなければならないとして、ある機械を使ったところ、ばらつき(例えば4σで)は±10cmとします。
±20cmの規格に対して、±10cmのばらつきなら、なんだか作れそうだと思いませんか?
しかし、その中心値を見たところ、実は112cmのところに中心値がありました。
するとどうでしょうか?
112±10cmの寸法の物が出来ますので、マックス122cmの物ができてしまい、工程能力を満足できていません。
つまり、Cpで幅だけを見ても仕方がありませんので、Cpkで中心値のずれも加味して、工程能力があるかどうかを判断する方が、より実情に合った能力を見ることができるということです。
ちなみに、世間一般で工程能力が高い、工程能力が低いという判断は下記の通りです。
【工程能力の判断基準】
・CPKが1.33以上:工程能力は高い
・CPKが1.0以上:工程能力はまずまず高い
・CPK 1.0以下:工程能力は低い(不安)
本記事上部に記載している「標準偏差と工程能力と不良発生率の便利な早見表」から、CPKが1.33以上の場合は、不良率は63ppmとなります。
これは、100万個作って不良が63個しか発生しないため、良好な製造ラインができているといえます(もちろん作る製品や工程によって判断基準は異なりますが)。
不良率(不良発生率)とは?簡単に
不良率(不良発生率)とは、製造した製品の総量(生産数)の内、不良品が発生した割合です。
シンプルに、不良数を生産総数で割った数です。
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