【徹底考察】プロ野球におけるセリーグとパリーグの強さの差について
※人によって色々意見が異なると思いますが、あくまでこの記事は、私個人の見解なので、ご容赦ください。
2018年のプロ野球日本シリーズのソフトバンク対カープの戦いを全て観て、思ったことがあります。
ソフトバンクもですが、全体的にセリーグよりもパリーグがやっぱり強いということですね!
これは今までの交流戦の結果からも、散々言われており、野球好きの方からすると、何をいまさら(笑)という方も多いと思います。
実際、野球好きにとってはよく耳にする言葉ですが、「人気のセ、実力のパ」という言葉があります。
確かにその言葉通り、セリーグは巨人の影響もあり、地上波での放送が多く、パリーグは放送が少なかったので、かつては人気に差が出ていたのは事実でした。
しかし最近は、BS放送や、DAZNなどの有料放送で、パリーグの野球もよく放送していますので、セリーグとパリーグの人気差は、かつてほどないように思います。
それに対し、セリーグとパリーグの実力差に関しては、大きく開いているように思います。
一体それはなぜなのでしょうか?
そこで今回は、セリーグとパリーグの実力差が開いている理由について、セリーグとパリーグの取り巻く環境の違いから、その差を考察していきたいと思います。
まずは、本当に実力差があるのか、そしてその差はどの程度であるのかについて、定量的に考えていきます。
セリーグとパリーグの実力差の有無の検証
ここでは、そもそも本当にセリーグとパリーグの実力差があるのかについて、交流戦の結果と、日本シリーズの結果から、検証していきます。
交流戦の戦績
まず、セリーグとパリーグのチームが、レギュラーシーズンの一定期間中に戦う交流戦の戦績について確認していきます。
チーム毎ではなく、リーグ毎の総成績で比較していきます。
【全結果】
年度毎の両リーグの勝ち数は下記の通りです。
※引き分けは除いています。
【全結果グラフ】
年度毎の両リーグの勝ち数のグラフは下記の通りです。
※引き分けは除いています。
開始してから、現在2018年まで、14年の歴史があります。
ここで驚きなのが、セリーグがパリーグに勝ち越したのは、14年の歴史の中でたったの1年だけということですね。
14年中13年は負け越しており、セリーグが勝ち越す可能性はおよそ7%です、、、。
また、14年間の全結果の勝率も、セリーグは46.9%となっています。
交流戦のデータからも、セリーグよりもパリーグが強い傾向にあることが明確となりました。
日本シリーズの戦績
交流戦がレギュラーシーズンでの戦いであるのに対し、短期決戦である日本シリーズの結果からも、両リーグを比較していきます。
日本シリーズの歴史は交流戦よりはるかに長いですが、あまりに昔のデータは、現在の実力差を検討する際には、参考記録にしかなりません。
今回はあくまで、最近のセリーグとパリーグの実力差を明確にしたい為、交流戦と合わせて、2005年以降の日本シリーズの結果のみを使用し、比較することとします。
そしてリーグ毎の日本一の数は、セリーグは3回、パリーグは11回でした。
また、14年間の全結果の勝率も、セリーグは38.8%となっています。
日本シリーズという短期決戦(頂上決戦)においても、やはりパリーグが強いという結果が出ました。
全戦績の勝敗率を見ると、むしろ交流戦よりも短期決戦の方が、より差が出る結果となりました。
セリーグとパリーグの実力差の要因の検証
上記の通り、セリーグとパリーグの実力差が明確となりました。
それではなぜ、セリーグとパリーグがここまで差が開いたのかについて、考察していきます。
今回考えられる要因としては、下記3点が挙げられます。
①DH制(指名打者)の有無
②球場の広さ
③シーズン終盤での競り合い
これらの要因について、順に解説していきます。
①DH制(指名打者)の有無
まずDH制とは、ピッチャーが打席に立たずに、代わりのバッターが立つことをいいます。
そのため、DH制がある場合は、打線1番〜9番まで、打者で並べることができます。
しかしDH制がない場合は、ピッチャーが打席に立つ必要がありますので、1番〜9番のどこかでピッチャーを打席に立たせなければなりません。
要するに、DH制がある場合は、ピッチャーはピッチングのみに専念して打席には立たず、その代わりに、守備につかずに打撃だけに集中するバッターを打席に立たせることができます。
日本では、セリーグはDH制がなく、パリーグはDH制があります。
DH制があるパリーグでは、ピッチャーは1番〜9番まで全てが打者なので、全く気を抜くことができませんので、投球術だけじゃなく、精神的にもタフになります。
さらに、もしデッドボールを当ててしまっても、ピッチャーは打席に立つ必要がなく、相手から報復デッドボールを受けることはないため、恐れることなく打者の内角を攻めるピッチングをすることができます。
交流戦では、リーグ別に与死球数を見てみても、毎年大きな差は見られません。
なので、いかにパリーグのピッチャーが、デッドボールを与えずに、効果的にインコースを攻めることができているということを表しているのではないかと思います。
また、バッターに関しても、セリーグよりも一人多く出場機会を与えて鍛えることができるのも、セリーグとパリーグで差が出る要因だと考えます。
なお、セリーグにもDH制を導入するべきだという話はすでに出ています。
しかし、ピッチャーが打席に入る機会がないパリーグでは、ピッチャーが打席に入るという貴重な場面を、セリーグとの交流戦時の楽しみの一つにしているなど、色々な要因があり、未だ実現はしていません。
確かにリーグ間でルールが異なることで、面白味が生まれるのもわかりますが、パリーグとの実力差を考えると、早くセリーグにもDH制を導入して欲しいと思います。
もちろん、必ずしもDH制の有無で実力差が生まれているとは断言できないため、まずはお試しで3年間だけ導入してみるなど、どんどん新しい試みを行ってみて欲しいと思います。
②球場の広さ
球場の広さと強さって関係あるの?と疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、その理由について書いていきます。
まずは、各チームのホーム球場の一覧と、この記事限定の略称を下記します。
【セリーグ】
《広島東洋カープ》
・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
略称➡︎ズムスタ
《読売ジャイアンツ》
・東京ドーム
略称➡︎東京ドーム
《阪神タイガース》
・阪神甲子園球場
略称➡︎甲子園
《東京ヤクルトスワローズ》
・明治神宮野球場
略称➡︎神宮
《横浜DeNAベイスターズ》
・横浜スタジアム
略称➡︎ハマスタ
《中日ドラゴンズ》
・ナゴヤドーム
略称➡︎ナゴド
【パリーグ】
《福岡ソフトバンクホークス》
・福岡 ヤフオク!ドーム
略称➡︎ヤフオク
《北海道日本ハムファイターズ》
・札幌ドーム
略称➡︎札ド
《埼玉西武ライオンズ》
・メットライフドーム
略称➡︎メラドーム
《オリックス・バファローズ》
・京セラドーム大阪
略称➡︎京セラ
《千葉ロッテマリーンズ》
・ZOZOマリンスタジアム
略称➡︎マリン
《東北楽天ゴールデンイーグルス》
・楽天生命パーク宮城
略称➡︎楽パ
野球規則(1.04)には、両翼まで320フィート(97.534m)、中堅まで400フィート(121.918m)以上あることが望ましいという記載があります。
現在、この条件を満たしていないのは、神宮、ハマスタ、甲子園の3つです。
一方、ホームから左中間と右中間の距離は、116mの球場が多いのですが、東京ドームは、110mしかありません。
つまり、球場の広さから見ると、神宮、ハマスタ、甲子園、東京ドームの4つの球場が狭いのですが、これらの球場を本拠地とするのは、いずれもセリーグの球団です。
以上より、セリーグの球場は、パリーグの球場より狭い傾向にあることが分かります。
それでは次に、球場の広さとチームの強さの相関について考察していきます。
まず、ピッチャーからすると、球場が広いので、ボールが先行して不利になってしまっても、逃げずにストライクゾーンへ投げることができます。
ホームランが出にくいから、攻めた投球ができるんですね!
また、バッターからすると、より遠くに飛ばさないとホームランにならないので、自然とスイングが力強く、鋭くなるように育ちます。
まさにソフトバンクの柳田選手がその代表格ですね!
球場が狭いと、楽にホームランになり易いので、ボールに当てにいくようなバッティングになり、フォームが小さくなってしまうんですね、、、。
つまり、広いほど、ピッチャーは開き直って勝負ができますし、バッターはより遠くに飛ばせる力を培うことができるということです。
従って、球場が広いほど、選手のレベルが上がると考えられます。
③シーズン終盤での競り合い
レギュラーシーズンの終盤で、優勝できるかできないかの瀬戸際の戦いの経験が多いほど、日本シリーズのような大舞台での戦いの力がつくと考えます。
昔は、セリーグといえば巨人が強かったですが、打倒巨人を掲げて、どのチームも切磋琢磨していました。
しかし今は巨人が低迷しており、カープが3年連続で独走態勢に入っています。
独走態勢に入ると、1位のチームは、絶対に負けられない戦いを経験することなく、ポストシーズンを迎えてしまいますので、クライマックスや日本シリーズのみの経験だけで戦う必要が出てきます。
しかしパリーグは、安定してソフトバンクが強いものの、毎年どのチームが優勝するか分からないくらい、シーズン終盤までもつれ込むことが多いです。
そのため、レギュラーシーズン中に、何度も何度も負けられない戦いを繰り返すことで、負けられない戦いの経験や、その戦い方を身をもって経験することができます。
その結果、日本シリーズのような大舞台での戦い方や経験を、監督や選手全員が習得しているのが強さに繋がっていると思います。
そこで、ここ3年間連続で優勝しているカープの打倒を目指し、セリーグ5球団はカープの対策を立て、逆にカープはそれに負けじと戦って欲しいです。
そうすることで、レギュラーシーズンを通して、絶対に負けられない戦いへの経験や戦い方を習得し、その力を養うことで、パリーグに対抗して欲しいですね!
最後に
今回は、セリーグとパリーグの強さの差について検証しました。
まだまだ隠された要因があるかもしれませんので、また思いついたら適宜書いていきますので、またこの記事を見て頂けると嬉しいです♪
来年もセリーグやパリーグのファンに関わらず、一緒に野球ファンとして応援していきましょう!
それでは!
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